イベント紹介Event Information
平素は格別のご高配を賜り、誠に有難うございます。本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
この度、Yoshimi Artsは、2021年1月30日(土)より、スコットランド・グラスゴーで活動しているレイチェル・アダムスの6年ぶり2回目となる 個展「Home Grown」を開催致します。
アダムスとの出会いは、2013年にロンドンの Saatchi Gallery で開催されたグループ展「Paper」で発表した彫刻作品でした。その作品は、一見古典的なブロンズ像や石像の位相を持っていましたが、近づいてみると全て着色された紙で形作られており、紙という素材は慣れ親しんだ物なのに、味わったことのない感覚で感動したことを今でも鮮明に覚えています。
その後弊廊で、2014年のグループ展「"Material and Form" in a digital age」にアダムスを出品作家として招待し、2015年には日本初個展となる「Open Studio」を開催致しました。「Open Studio」で発表した、手染めの布地と、高度なデジタル処理技術によって造られたアクリル製のオブジェクト、そして伝統的な彫刻手法と道具を用いた新しい彫刻のシリーズは、歴史に対する私達の知覚概念と、アートとデザインを隔てている階層的な構造の矛盾点を浮き彫りにしました。
2020年、世界的なパンデミックの発生により社会や人々の生活は一変し、特にアメリカやヨーロッパでは感染者や犠牲者が多く、彼女が暮らすスコットランドでも幾度ものロックダウンが行われています。美術業界に目を向けても、美術館やギャラリーでの展覧会は無くなり、アートフェアも中止を余儀なくされ、今後の運営が不透明な状況が続いています。
アダムスは、この状況下で、毎月定期購読しているインテリアとデザインの雑誌『ELLE Decoration』(UK) からキノコが生えている様相の作品を制作しました。本展では、パンデミックが鮮明になった2020年4月号から2021年1月号までの10号に渡り展開する予定です。