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金沢21世紀美術館にて、「フェミニズムズ / FEMINISMS」が2021年10月16日〜2022年3月13日の期間中、開催されます。

1990年代以降のフェミニズムは、欧米の若い女性たちを中心にポピュラー文化と結びつき、メディアを通じて広がっていきました。日本でも若い女性たちの活躍がメディアを通して紹介され、まさに「ガール・ムーブメント」の様相を呈していました。しかし日本の場合、女性たちからのマニフェストという以上に、ムーブメントがメディアに利用され、女性たちを消費していった側面があったことは否めません。1986年の男女雇用機会均等法、1999年の男女共同参画社会基本法などの法律が整い、男女平等社会が実現したかのように見えましたが、現実社会には結婚や家族という制度、異性愛という社会的規範、女性らしさ男性らしさという通念など、個人と社会の狭間に行き場のない違和感があふれていました。
2020年代の今、インターネットを介して異議を発する小さな声と声がつながり、社会が変わろうとしています。女性のためだったフェミニズムが、社会に違和感を持つあらゆる人たちの力になろうとしています。近年、フェミニズムは複数形で語られ始めました。世代や時代、所属する国家や民族、それぞれの環境や価値観によってフェミニズムの考え方や捉え方は異なります。複数形のフェミニズムが発するメッセージは、多様な考え方を認め合うことこそが社会にとって重要で必要だという視点です。本展ではアーティストたちがそれぞれのまなざしで、ジェンダーを、身体を、社会をどう捉えるのか、そしてその先に何を見ているのか、日本におけるフェミニズムの表現の一端を9名のアーティストの作品からご紹介します。

展覧会の特徴
複数形としてのフェミニズムを1990年代以降の美術表現から紐解く
本展は、タイトル「フェミニズムズ / FEMINISMS」が示すように、複数形としてのフェミニズムをテーマとし、1990年代以降の日本の様々な美術表現を通じて、解釈の多様性を展観するものです。情報化が進む現代、ジェンダーや身体、性に対する認識はますます多様化・個別化し、フェミニズムの概念も、実社会で違和感をもつあらゆる人々の視点から多角的に語られるようになっています。本展では、しなやかに変容し続ける現在進行形のフェミニズムの思考に着目し、その捉え方や解釈の多様性を同時代の美術表現からひも解きます。

現代アーティストたちが捉えた、日本のジェンダーと社会
本展を構成するのは、日本を主な活動拠点とし、鋭い観察眼と豊かな感性で1990年代以降のアートシーンをけん引してきた9名の現代アーティストたちです。表現メディアは、絵画、彫刻、版画、写真、映像、インスタレーションなど多岐にわたります。本展では、身体と内面の関係性や性差・性愛の本質を問う作品、個とそれを取り囲む社会に介在するジェンダーやアイデンティティのあり方を見つめ直す作品などを通じて、既成概念の解放や自由な心と身体への回帰に誘います。

次世代につなぐ、未来への視点
本展は、テーマ「フェミニズムズ / FEMINISMS」のもとアーティストたちにより共創された展示空間を通して、現代の身体や性に対するその柔軟で多様かつ個別的な捉え方を展観し、既存の社会規範や制度あるいは価値観に囚われない、新しい解釈の可能性を次世代につなぐことを試みます。その試みの背景には、身体的な差異や個性を認め合い、それぞれが共存できる社会への静かで温かなまなざしがあります。これまでに築かれたフェミニズムの歴史を確かな礎に、本展が差異の強調ではなく協調により、個が共存できる未来への橋渡しとなることを期待します。

出品作家 (五十音順)
青木千絵　AOKI Chie
碓井ゆい　USUI Yui
遠藤麻衣　ENDO Mai
遠藤麻衣×百瀬文　ENDO Mai × MOMOSE Aya
風間サチコ　KAZAMA Sachiko
木村了子　KIMURA Ryoko
西山美な子　NISHIYAMA Minako
森栄喜　MORI Eiki
ユゥキユキ　Yu-KI YUKI

2021/10/16 - 2022/03/13

休場日：月曜日(ただし11月1日、11月22日、2022年1月3日、1月10日は開場)、11月24日(水)、12月29日(水)~2022年1月1日(土・祝)、1月4日(火)、1月11日(火)
開場時間：10:00~18:00(金・土曜日は20:00まで)※観覧券販売は閉場の30分前まで

金沢21世紀美術館
石川県金沢市広坂1-2-1

出品作家：9名(出品点数22点)
料金：一般 1,200円(1,000円)/ 大学生 800円(600円)
小中高生 400円(300円)/ 65歳以上の方 1,000円
※()内は団体料金(20名以上)及びウェブチケット料金※本展観覧券は同時開催中の「ぎこちない会話への対応策̶第三波フェミニズムの視点で」(10月16日~2022年3月13日)との共通観覧券です。
※入場当日に限り、「コレクション展1 Inner Cosmology」(11月3日まで)及び「コレクション展2BLUE」
(11月20日~2022年3月13日)にもご入場いただけます。
日時指定ウェブチケット購入開始日：2021年9月27日(月)10:00~
日時指定ウェブチケット購入方法：当館ウェブサイト(https://www.kanazawa21.jp)よりご購入いただけます。
主催：金沢21世紀美術館[公益財団法人金沢芸術創造財団]
お問合せ：金沢21世紀美術館TEL:076-220-2800

[オフィシャルサイト]
https://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=17&d=1795