イベント紹介Event Information
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KATSUYA SUSUKI GALLERYにて、2021年11月19日から約3年ぶりとなるYuki Nakajoの個展『PILE』が開催されます。
本展では『集積 / PILE』をテーマに、『回路 / Circuit』と題された新しい作品群を14点展示します。
昨年4月緊急事態宣言の発出により人の流れが止まり、社会全体、そして全てが止まったように感じたと作者は語る。この期間に制作を開始した『回路 / Circuit』は大小様々な幅の立体作品である。正面にアクリル板、側面にはミラーアクリルが配置され、正面から見ると様々な模様が浮かび上がる。
外壁としてよく目にするタイル張りから着想を得て、タイルを模したアクリル板を表面に配すことで身近なものとして表現されています。
アクリルによって色の流れが止められた板は、それぞれがその時その時の瞬間であり、それを貼り付けるという行為は彼自身の過去をコレクションしていると言えるのではないでしょうか。
コロナ禍中、主観的に見える全体が止まることでそれ自体存在していないとすら感じられたような日々も、今となって思い返すことで過去として存在していると改めて感じられることができます。
人によって捉え方も異なる模様は見る人それぞれの過去を表しているのかもしれません。
色を流した混んだアクリル板を裁断し、様々な模様が浮かび上がったピースを並べ替え、配置していくことは、過去と向き合う作業と言い換えることができます。
1点でも立体作品として成り立っている『回路 / Circuit』ですが、これが積み重なり、繋がることで本展覧会のテーマである『集積 / PILE』として改めて成立します。
「言葉の着地」をメインコンセプトに、そこから逆算するようにアイデアを再構築していくプロセスは、空間の中に作品を配置するというよりは空間を作品で整える行為に近いと言えるのではないでしょうか。