イベント紹介Event Information
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Gallery Art Compositionにて、7月9日(金)から8月6日(金)まで千住博個展「HIROSHI SENJU EXHIBITION -NIHONGA & GLASS WORKS-」が開催されます。
千住博は昨年、高野山金剛峯寺へ襖絵の奉納を終え、40年を越える画業の大きな節目を迎えました。今回の展覧会では、その襖絵のモチーフにも選ばれた「ウォーターフォール」の新作を、イタリアで制作された、ヴェネツィアン・グラスのシリーズ「フォーリングカラー」と共に展示いたします。
空海との対話の中で生まれたとも言える、高野山金剛峯寺の静謐な障屏画の制作が終わり、2020 年に奉納を終えました。
すると滝に明るい色を使いたくなりました。
それが今回の出品作です。
以前も様々な色彩が滝のように流れるイメージの作品を描きましたが、今回は、滝の後ろ側から、 この世の中の若葉や陽の光を見る、という視点にしました。
コロナ禍で世の中に閉塞感が蔓延する現在ですが、巡りくる季節の中で、世界は変わらず自然界の 色彩にあふれている、ということを伝えたかったのです。
思い返せば、それは今回展示しているガラスのシリーズもそうでした。
これらはベネチアンガラスの若き巨匠土田康彦さんにご指導いただき、ベネチアの工房で作らせ ていただいた作品です。
この時も、世の中はなんて色彩にあふれているのだろう、とベネチアの輝くばかりの空気感の中で 感じた思い出があります。
そして今、改めてモノトーンの作を見て、グレーも黒も美しい色彩であると気が付きました。
ルネッサンスがそうであったように、閉塞感は、それを打破しようとする色彩豊かな作品を生むの だと思います。
今回の私の作品はそのようなものなのかもしれない、と感じています。
- 千住博
今回展示される新たな「ウォーターフォール」は、華やかな色使いで描かれた、穏やかな空気を感じさせる作品です。滝の後ろから色彩豊かな世界を見るという構図には、画家として自然と向き合い続けてきた千住博ならではの視点が盛り込まれています。
共に展示される「フォーリングカラー」はヴェネツィアン・グラスのシリーズです。本作は2006年、2007年にムラーノ島(イタリア)で制作発表されました。重厚なガラスの中でゆるやかに重なり合う色の調和のなかに、液体としての軽やかさや透明感をもつ、ガラス特有の表現をみることができます。
本展覧会では、コロナ禍の鬱々とした雰囲気を解放していただきたいという願いのもと、清涼感を感じさせる二つのシリーズをあわせて展示いたします。
息の詰まるような生活が続く今日この頃ではございますが、爽やかな色彩にあふれる本展覧会がリフレッシュの一助となれば幸いです。