イベント紹介Event Information
KANA KAWANISHI GALLERYは、2020年9月25日(金曜日)より、鯰個展『リアルライフ・エスケープ・ルーム 』を開催いたします。
鯰(なまず)は、2018年に結成された表良樹、藤村祥馬、森山泰地によるチーム。個々にアーティストとしても活動する3人は、茨城県取手市に活動拠点を置き、日常的な飲み会を軸としながら、制作や生活の中で感じる「日常」を起点に、パフォーマンスやインタラクティブな要素を取り入れながら活動をしています。
彼らが活動拠点とする茨城県の取手市は「郊外」であり、それぞれが生まれ育った地域も「郊外」です。多くの作家は発表の場所を首都圏で行いながらも制作拠点を郊外に構えていますが、鯰の活動はその多くの作家がもつリアリティーを現していると言えるでしょう。メンバーそれぞれの特異な着眼点や得意領域をあえて衝突させながら、首都圏では成立し得ない、郊外のダイナミズムを作品に昇華させています。
例えば、2018年11月東京・天王洲にて「鯰」として行ったパフォーマンス《荷積み》では、各々が普段制作するアトリエから集めてきた資材や、過去に制作に際して使用した廃材、あるいは作品本体そのものを軽トラックに積み上げていくパフォーマンスを行いました。
多くのアートコレクティブでは各メンバーの役割等が定められていますが、鯰はそういった社会構造を構築していません。制作を通して起こるコミュニケーションのズレや、時におこる衝突をあえて作品の中に取り入れる事によって、作家と鑑賞者の「見る、みられる」の関係性を問い直す試みも行います。例えば《荷積み》のパフォーマンスでは数日間決まったルールを定めずに、資材等を次々にトラックに積み上げていきましたが、その過程ではメンバー同士が言い争いを始めたり、それぞれが持つ経験の相違やノリの集積によって、鑑賞者は一部置いてけぼりになる状態が生じました。
また2019年11月に開催された鉄工島フェスでは、「部屋」を作り、そのなかで飲み会を行う作品《Chill House》を発表。リサイクルショップで収集した物や、日常で出るゴミを利用して作られた「部屋」は、部屋自体が大きく揺れたり、水が流れてきたり、日常のようで日常ではないあらゆる出来事が巻き起こります。そのような状況下にあっても、部屋の中で「飲み会」を続ける人々を俯瞰的に鑑賞できる作品は、地震や水害に毎年のように見舞われるようになった日本列島に住まう私達自身の生活を投影しているとも言えます。
スケジュールSchedule
2020/9/25 - 2020/11/7
水〜金 13:00〜20:00|土 12:00〜19:00 (日・月・火・祝休廊)
開催場所Place
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東京都江東区白河4-7-6