※新型コロナウイルス感染拡大による社会情勢に伴い、美術館およびギャラリー施設において休廊、休館、もしくは会期の変更をしている場合がございます。詳しくは、各施設サイトをご確認いただきますようお願い申し上げます。
hpgrp GALLERY TOKYOにて、書籍の装画、雑誌や広告など多岐にわたり活躍するイラストレーター、西山寛紀の新作個展「NECESSARY」が2022年4月13日(水) から5月14日(土)まで開催されます。
シンプルな構図の中に大胆にデフォルメされたモチーフが配置され、どこかノスタルジックな色彩が印象的な西山の作品は、私たちの多くが「日常」と認識するイメージを端的に捉えています。
未来永劫不変なものなど存在しないという価値観が根付いている場合や、日常がほんの少しのきっかけで全く変わってしまうことを経験した今でも、今日と同じような明日がまた来ることに疑問を持つのは難しいでしょう。しかし西山はそんな日常に、安心感とともに心の騒つきを感じとります。
当たり前と思っている小さなことに意識を向けたり、自分の手の届く範囲を改めて観察すること、そんな日常のシーンを描くことは、ささやかな毎日を讃えることであり、西山にとってノイズをポジティブなエネルギーに変換する「祈り」のようなものなのかもしれません。
hpgrp GALLERY TOKYOでは初の個展となる本展、ぜひこの機会にご高覧くださいますようお願い申し上げます。
アーティストコメント
自分のここ数年の創作では「日常を讃えること」がテーマになっている。
陽が昇り明るくなる部屋、季節が変わる時の空気の匂い、食卓で愛用している器の感触。好きな音楽を聴く時間など、
日々の中で感じた喜びを絵にすることが自分にとって「日常を讃えること」になっている。
近年では、長引く新型コロナウイルスの猛威やその影響、日々報じられる国際的な状況など、
目を覆いたくなるニュースに触れる機会が多くなった。「当たり前の日常」がある日突然奪われてしまう現実がある。
そんな中、日々享受できている暮らしの些細な喜びがどれだけ尊いのか、より強く意識しながら生活をし、仕事をし、絵を描いた。
個展のタイトルは“NECESSARY”とした。なくてはならない平穏な日々。
−西山寛紀