イベント紹介Event Information
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KANA KAWANISHI GALLERYにて、田中和人個展『Picture(s)』が2022年9月10日(土)から10月22日(土)まで開催されます。
これまで田中は、写真を用いながら、様々な角度から写真による抽象表現の新しい可能性を切り開く作品を発表してきました。本展は、その田中が2021年より制作をはじめた最新シリーズ『Picture(s)』より2022年制作の新作を発表いたします。東京では4年振り、弊廊では初めての個展となります。
これまでも「写真」と「絵画」を行き来する表現を探る態度で様々なシリーズを展開してきた田中ですが、本展のタイトルにも冠されている『Picture(s)』シリーズは、キャンバス上に印画紙(暗室で露光されたカラーフォトグラム)と絵の具(抽象絵画)が等価に並び、いわゆる「絵画的な写真」や「写実的な絵画」を軽々と凌駕します。本シリーズは、写真とは何か、絵画とは何か、見ることとは何かを、絶えず独自の方法論で問うてきた田中の一つの到達点と言えるでしょう。
アメリカ・シカゴでの個展に続き、国内では初となる『Picture(s)』シリーズの全新作により構成する田中和人の弊廊での初個展を、是非お見逃しなくご高覧いただけますと幸いです。
アーティストステートメント
抽象的なペインティング。そして、暗室で露光され、様々な色に発色した印画紙(カラーフォトグラム)の構成。アクリルボックスが彼らの運命を封印する。その平面上に、ヒエラルキーはない。彼らは、メディウムとしての差異をそのまま提示しながらも、共存し、影響し合う。メディウムの歴史上の緊張関係を解放するカンバセーション。破かれ、折りこまれたフォトグラムは重なり合い、キャンバスから浮遊する。それらは、絵の具のストロークを模倣しながらも、その色や彫刻的な形態は、より鮮やかに。
絵画、あなたは誰? 写真、あなたは誰? あるいは、私は誰? 形象を持たずに。
田中和人