イベント紹介Event Information
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MAHO KUBOTA GALLERYにて、武田鉄平「近作展」が2022年8月27日(土) から9月24日(土)まで開催されます。
仮想現実やメタバースの世界がすぐそこにある現在において、現実の世界で絵の前に立って絵画を見るということはどういう経験なのでしょうか。
「なぜ、絵画という限りある平面から、何かを感じることができるのか。」
武田鉄平の作品制作は本人の根源的な疑問からスタートしました。
武田鉄平は一度描いた絵を再度描いてみるという独自のプロセスによって絵画を制作するアーティストです。武田鉄平の絵画は「いったい絵画を見ることはどういうことなのか」という絵画の鑑賞体験への根源的な疑問をきっかけに生まれました。絵画からなぜ何かを感じ取ることができるのか。この地上に存在する心を捉え続ける名画の数々はなぜ何世紀にわたって人々を魅了するのか。絵そのものが美しいのだろうか、それとも見る側が美しさを作り出してきたのだろうか。武田が華やかなアートの世界から隔絶された山形のスタジオにこもり、10年近くにわたって問い続けた絵画の命題は、「自らが描いた絵を再び描く」という実践において突破口を開くことになりました。
今回の個展で展示される8点のポートレイトはパンデミック下の2020年から2021年にかけて描かれたものです。
これらは2022年5月のアートフェア香港にて発表され、国際的に大きな注目を集めました。本展はこれらの作品をいったん東京に戻し、東京のギャラリーにて披露する貴重な機会となります。また、未発表の新作1点も展示の予定となっております。社会と隔絶されたアトリエでアーティストが長い時間をかけて向き合った絵画の前に立つ時、私たちも絵画と向かい合うことのリアルな感覚の豊かさを取り戻すことになるのでしょう。