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シュウゴアーツにて、山本篤の個展「MY HOME IS NOT YOUR HOME」が2022年7月23日(土) から9月3日(土)まで開催されます。
2003 年、多摩美術大学絵画学科を卒業した山本篤は、ベルリンに 渡りアーティストとしての道を模索していた最中に、ブルース・ナウマンの展示に出会い、アートを完成されたモノとしてで はなく、現在進行形の行為としてアプローチするナウマンの手法に衝撃を受けた。以降山本は「作品がどう見えるかではなく、 何がなされているか。HOW より WHAT。クオリティよりアティチュード」という考えのもと、絵画から映像の世界へ転向し、 「自分が本当に見てみたい」という「欲望」を燃料に身の回りのあらゆる材料を用いて手を動かし続けた。その結果として 15 年間で 200 本を超える映像作品を残すに至る。
2018 年から一年間、山本は安定した日常サイクルからの逸脱を求め、家族を連れてベトナム・フエに滞在した。経済的にも世 代的にも変革を迎え、伝統的なコミュニティや戦争の傷痕が消えつつある彼の地において、山本は制作に向けられた自分自身 の欲望は主体的なものではなく、環境によって様々に引き起こされる「反応」であると気づく。そして帰国後にコロナ禍に突 入し、世界的に日常が日常でなくなり、他者との繋がりが大きく変化する中、在宅という閉ざされた状況の中で発生する自身 の反応をつぶさに見つめることとなった。そうして山本は「家」というキーワードを物質的な側面に限定せず、個と個、個と 国家、個と地球など、複数の概念の境界線として捉え、様々な関係性のリフレームを試みる。本展では帰る場所としての家、 ドリームハウス、人間以外の存在にとっての家など、ベトナムとコロナ禍の日本で制作された映像作品を発表する。
2022 年 5 月 シュウゴアーツ
私の「家」は本当に私のものなのか?
反応体である自分の身体は私のものなのか?
国は誰のものなのか? 「家」は社会に含まれるのか?
「国⺠」は国に含まれるのか? 私の家は私の家なのかという疑問が生まれたときに、 私の家があなたの家である可能性がどれくらいあるのか?
2022 年 山本篤