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鎌倉画廊にて、小枝繁昭「月をうつす花」が2022年4月23日から6月11日まで開催されます。
作家ステートメント
20年前、最初に描いたのはアイリスだった。ファイダー中のアイリスは“ふぁー”と春風のように心地よく花弁を広げていた。
最初のシリーズを“風の時”と名付けた。以来、その時々の感覚をシリーズに名付けてきた。天、光、地、韻、叙、、、、、、そして“心の時”。
その間、花たちは入れ替わり立ち替わり、私の心をワクワクさせてくれた。作品となったのは108華だがその背後には夥しい数の花たちがいる。
一瞬にして優しく迎え入れてくれる花もあれば、何度も何度も跳ね返され今でも想いが通わない花もある。その要因は私にはわからない。
私の想いが強いから上手くいくものでもなく、弱いからと言って上手くいかないとはかぎらない。
我が家の庭には一本の大きな桜の木がある。この染井吉野がなかなか手強い。毎年の様に時間を共にするが片想いは20年に及ぶ。
桜守の佐野藤右衛門さんが「染井吉野はいけませんなー。色気がありません。」と言っていた。相手の色気の問題??なるほどそうかも知れない。そう言われればそんな気がする。
一方では西行が詠んだ辞世の句が妙に引っかかっている。やっぱり最後は桜ですか、、、、。
などと何十年もこんな呑気なことを繰り返している。とても幸せなことだ。
小枝繁昭