イベント紹介Event Information
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COHJU contemporary artにて、天牛美矢子の個展「Propagareの悪魔」を10月2日(土)から10月30日(土)まで開催されます。
天牛美矢子は1989年大阪に生まれ、2015年に京都市立芸術大学大学院を修了し、現在も大阪を拠点に活動しています。実家である古書店で勤務しながら作品制作を続ける傍ら、近年ではZINEの編集・発行にも取り組み、2018年に開催されたグループ展「呪と祝」(KUNST ARZT、京都) ではキュレーターを務めるなど、多方面にその活躍の幅を広げています。
インスタレーション作品を含む、新作を中心とした二年ぶりの個展となる本展では、人類が歴史の中で常に向き合ってきた「プロパガンダ」と「悪魔」のそれぞれの概念を、2021年現在私たちが置かれている状況と照らし合わせながら天牛自身の手で再解釈し、アップデートを図る試みとなります。 この機会にぜひご高覧ください。
STATEMENT ー天牛美矢子
「Propagare」とは、プロパガンダの語源となった
「繁殖させる、種を蒔く」という意味のラテン語である。
プロパガンダの常套手段として「敵=卑劣な悪魔」に対し、
「高潔な正義」を持ってこれを打ち滅ぼすという作られた構図は耳馴染みよく、
まさに私たちの意識に容易く思想を植え付けかねない。
では悪魔とは何だろうか。
由来、歴史は多々あれど「悪魔=悪をなすもの」とされている。
しかし悪魔自体、古く信仰されていた神々が宗教の移り変わりと共に邪悪なものとなった場合もあるように「悪」というのは相対的で、盲信するには不確かだ。
そもそも、相手を貶めて人々の認識を操作しようとする行為は悪ではないのか。
すると悪魔が悪魔を責めている事になる。(変なの)
日々触れる情報、イメージ、シンボルにより私たちは種を蒔かれている。
悪魔に蒔かれた種が発芽して、私は悪魔になり、悪魔を責めるのか。
それはとても恐ろしいことに思えて、これ以上悪魔が増えないようにと、
私は祈るように作品を作った。