イベント紹介Event Information
※緊急事態宣言の期間が延期された場合、美術館およびギャラリー施設において休廊、休館、もしくは会期の変更をしている場合がございます。詳しくは、各施設サイトをご確認いただきますようお願い申し上げます。
この度、HAGIWARA PROJECTSでは、城戸保による写真展「駐車空間/絵画建築/案山子」を開催します。
城戸は昨年、品川の原美術館の最後のグループ展「光-呼吸 時をすくう5人」に参加し、多くの関心を集めました。
今回の展示では、新たに撮り下ろした作品から、「駐車空間」「絵画建築」それに「案山子」という3つのテーマを扱った作品32
点を発表します。
城戸が写す対象は、郊外や住宅地といった私たちのすぐ周りにある風景です。しかし、特定の場所や対象物の意味や用途そ
のものを写すことが目的ではなく、光によって鮮明に浮かび上がる色彩や、陰影によってもたらされる形や構図といった、絵
画的な空間を写し出すことに興味があります。城戸によって「描かれた」風景写真は、わたしたちが見過ごしている世界の豊
かさを提示します。
展覧会ステートメント:
“「風景画」のシリーズを継続していると、さらに細分化して「駐車空間」「絵画建築」「案山子」のポートレートという3つの題
材を意識するようになった。いずれも「もの」そのものへの関心ではなく、 それらが存在する状況や空間、色彩や光の現象
の介入による写真空間であり絵画空間への興味である。「この場所は既に知っている」という思い込みをするべきではない。
何かを決めつけることは、わずかな気付きや驚きの機会を遠ざけることになる。同じ場所は同じではなく、人知れず何かが
進行している。満開の梅が雨で散った日の夜、猪の親子が側の道路を横断するかもしれない。
「突然の無意味」としか言いようのない思いがけない風景や状況との出会いは、いつも何の前置きもなく唐突にやってくる。
よく晴れたおだやかな春「世界の裂け目」は、突然開かれる。” 城戸保