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MISAKO & ROSENにて、南川史門「Moves」展が9月12日から10月10日の期間中、開催されます。
南川史門は近年、美術館関連の展覧会に参加しています。東京都現代美術館リニューアルコレクション展(2019年)、ブランドホルスト・ミュージアム「Painting 2.0」(巡回:ミュンヘン/ルートヴィヒ財団近代美術館、ウィーン)(2015)を始め、新国立美術館、韓国国立現代美術館(果川館)、国立国際美術館、大阪(2014年)東京オペラシティーアートギャラリー、東京(2014年)、森美術館、東京(2013年)などのグループ展にて紹介されています。
絵画の潜在的な機能──活発な真空を生み出すこと、戯れのため/としての空間を形作ること──の強調に特徴づけられる南川の実践は、現在の絵画のあり方に対する極めて日本的な応答です。本展で発表される新作群では、絵筆ではなくスプレーによるアクリル絵具の操作に焦点が当てられており、その点で以前とは異なる方向性が打ち出されています。どの作品も、南川による近年の移行(move)──東京という雑然とした都市から京都という洗練された街へ、そして筆による描画を捨ててスプレーの簡潔性へ──を反映するように、形態と素材の積極的な打ち消しの連続を密かに交換することで、批評的でありつつ遊び心に満ちた手付きで、鑑賞者の想定を転覆させます。絵筆で塗られた単色の地の上で、噴霧された絵具──黒一色や、鮮やかなピンクあるいは青など──が未完成な形状や不完全な対称性を形成していますが、その放射的で不明瞭な視覚性には情動的な質があり、鑑賞者は画面に引き寄せられます。そこで目を凝らすとき、遠くからの一瞥や簡易的な写真図版では捉えられない細部、すなわち南川のトレードマークである滴りや染み、さらには硬質的あるいは流動的なテクスチャーの存在が浮かび上がるのです。南川による最新の絵画たち(paintings)は、一見するとカジュアルな表現に思えますが、詳細な考察に値するものです。現時点においてそれらは、最も前向きな大文字の絵画たち(Paintings)として成立しているのですから。