イベント紹介Event Information
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KANA KAWANISHI PHOTOGRAPHYは、内倉真一郎個展「浮遊の肖像」が2022年7月9日(土)から2022年8月6日(土)まで開催されます。
写真館の2代目でもある内倉真一郎は、活動初期からポートレート写真を作品として発表してきました。被写体である一般の人々の「気配」さえも捉える内倉のポートレート写真群は、既存の肖像写真とは一線を画す特有の存在感を放ち、キヤノン写真新世紀佳作受賞(清水穣選)や、写真集『私の肖像』(2020年)が赤々舎から刊行されるなど、評価を高めてまいりました。
本展『浮遊の肖像』では、さらに進化を重ねた未発表の肖像写真群を発表いたします。
3メートルほどの高さから撮影されたこれらの写真では、被写体はみな一様に目を閉じており、それぞれが生来まとってきた固有な気配が、より純粋に掬い取られているようでもあります。「生死の境界線までもが消えかけた次元」で「彼らの存在が目の前まで浮遊してくるように」感じながら制作したと自身のステートメントで内倉は語っていますが、静謐な世界に浮き上がってくる一人ひとりの気配は、確かに肉体から放たれた神秘的な佇まいにも感じられます。
写真だけが捉えられる特有の気配を内に湛えながら、一枚一枚に独特の質感が伴い、鑑賞者を不思議な世界へと惹き入れる内倉のポートレート写真の新境地を、是非お見逃しなくご高覧いただけますと幸いです。
<アーティストステートメント>
「浮遊の肖像」
人間の存在とはなんだろう。
3メートルほどの脚立から「人」を俯瞰的に見ると、別世界が見えてくる。
一人ひとりが個性を放ち役割を全うしながら、この世に生きていることを実感する。
私は彼らにひとつだけ注文する。
暗闇の中でただ静かに瞳を閉じてもらう。
混沌とした世界で、彼らの存在が目の前まで浮遊してくるように感じる。
息を呑んで、私は空間を浮遊するその人たちを記録する。
永遠に美しく残る標本のように針を刺す。
浮遊してくるものは、肉体なのか魂なのか?
生死の境界線までもが消えかけた次元に私は立ちすくむ。
内倉真一郎
<トークイベント>
日 時:2022年7月9日(土)18:00〜19:00
場 所:KANA KAWANISHI PHOTOGRAPHY
登壇者:内倉真一郎(写真家)× 姫野希美(赤々舎・代表)
河西香奈(モデレーター/ KANA KAWANISHI GALLERY ディレクター)
入場無料/予約不要
※満席の場合は、立見や入場制限となる場合がありますので、ご了承ください