イベント紹介Event Information
青山目黒のショーウインドーにて佐藤純也が2011年に10年後に展示することを想定して制作した絵画1点がインスタレーションとして公開されます。
この展示状況の設定から会期中はガラス越しに、どんな時間でも絵にお立ち会いすることができます。
偶然その機会があればそれは最も理想的です。
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今回はショーウィンドウにての、絵画一枚だけの展示です。
この絵は2011年に10年後に展示することを念頭に制作をしました。そのきっかけは二つの出来事でした。一つは広い地域に甚大の被害をもたらした2011年3月11日に発生した東日本大震災です。もう一つは震災と同じ年に私の妹が出産をして姪が生まれたことでした。
その年の私は故郷を含む広い地域の被害の大きさを混乱と焦りの中で見ていました。そんな時に生を受けた姪は、手につかないことが多かった私に遠く先の時間を想像するきっかけをくれました。
展示作品は10年後の姪の姿を想像して、大まかに、制作の途上にある程に留めています。作られてから見せるまでの時間そのものが、ひとつの絵具のように作品に作用して欲しいと期待したのです。
途方もなく大きく言葉にしようの無い出来事から10年が経ちました。
私はこの度、往来の多い通りに面したウィンドウに、この絵を置くことにしました。
2021年6月 佐藤 純也