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Gallery Seekにて、五月女佳織 個展「日本画展 -煌めきの庭-」が9月7日(火)より開催されます。
藤棚、牡丹30株、エンゼルトランペット、椿や梅や桜に水仙、柿や栗の木、スイカやかぼちゃ畑・・・たくさんの植物がある環境で育った五月女佳織。自然と、小さいころから植物の絵を描くようになり、それらに集まってくる小さい生き物とも慣れ親しんできました。 植物に対して五月女はこう語ります。
『時にはエネルギー溢れるばかりにたくましく咲き誇り、時には繊細に儚く散ってしまう。 癒しであったり圧倒される存在だったりと1年を通して様々な表情を見せてくれます。 そんな一瞬一瞬を閉じ込めたい。 その表情は、自分を投影しているのかもしれません。 私の理想の箱庭では、今を盛りと花々が艶やかに咲き誇っています。』
小さな、あまり深くない箱の中に木や人形のほか、橋や船などの景観を構成する様々な要素のミニチュアを配して、庭園や名勝など絵画的な光景を模擬的に造り、楽しむものとされた“箱庭”。五月女も、昔から理想の“箱庭“を心の中で思い描き、そこでは時間は関係なく、好きな花々が咲き誇っています。そんな感覚を、作品を通じて多くの人に共感して欲しいと思いながら制作しています。
今回の個展では、様々な季節の花を織り交ぜた「百花織」シリーズと、天然絵具の美しさを活かした「青(群青・ラピス)赤(辰砂・朱)緑(緑青)」シリーズの2パターンをご紹介致します。「百花織」シリーズは今までも何度か描いてきましたが、今回の新作では背景にデザインを生み出し、一味違った「百花織」に仕上げております。また希少で大変高価な天然絵具をふんだんに使用したシリーズは今回が初めての試みとなります。背筋が伸びるような凛とした美しさを放っている天然絵具。その魅力を最大限に引き出せるよう、調和を大切にして制作したそうです。
絹や和紙などを用い、伝統的な日本画技法を用いながらも、構図やモチーフに関しては、植物と寄り添い、愛でてきた自らの感性に従って描く、伝統技法と現代的センスを兼ね備えた五月女佳織の“箱庭”を、ぜひお楽しみくださいませ。