イベント紹介Event Information
この度、 あまらぶアートラボ 「A-Lab」 (えーらぼ) では、 「普通の日」 展を開催します。 出 展作家で韓国出身のアーティスト YU SORA (ユ ・ ソラ) が近年取り組んでいる作品は、 原寸 大の家具や電化製品などを真っ白な布と黒い糸で包み込む世界です。 一見するとクールで非 日常的な空間が広がっているように見えます。 しかし、 その空間に足を踏み入れると、 人の 息遣いと温かさ、 優しさのようなものを感じます。 それは、 モチーフが、 私達の身の回りにあ る見慣れたものだからかもしれません。 柔らかい布で覆われているから、 または、 布を縫う 手仕事から手触りを感じるからかもしれません。 根底に流れているのは、 彼女が紡いでいる、 生きている 「普通の日」 があるからではないでしょうか。 そこには確かな日常があり、 「生」 があります。 真っ白な布に黒い糸。 色が着いていないそれらは、 観た人が色を着けた 「普通 の日」 を入れる容れ物の役割を持っています。
コロナ禍以降、 新しい日常という言葉が聞かれるようになりました。 日常に新しいや古いとい う概念がふさわしいかわかりません。 しかし、 スマートフォンでコミュニケーションを取り合うこ とは、 わずか十数年前では日常ではなかったように、 私達の日常が変わり続けてきたことは 間違いないです。 日常を作っているのは 「普通の日」 の積み重ね。 日常が変わっても、 そこ に人は生きています。 続いていく 「普通の日」 がそこにあります。 彼女の作品は縫い終わり の処理をしていません。 そう、 何も終わってないのです。 「普通の日」 はそれぞれの時間の 中でずっと続いているというメッセージのようにも感じます。
A−Lab は、1階が保育所であるように、人々が日常を過ごしているまちの中に埋没しているアー トスペースです。 生活感を感じる普通の場所で YU SORA が作り出す 「普通の日」 を感じて欲 しいです。 今回、 A-Lab では立体作品だけでなく、 布を支持体にした平面作品、 木彫作品、 そして尼崎の風景のドローイングなどが展開されます。