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「紙の上で言葉するという行為」
溢れ出る言葉、圧倒されるほどの存在、ハシグチリンタロウの書き殴るような筆致はいつも紙の上をスイスイと行くのではなくドタバタとのた打ち回っているように見える。ハシグチの思考の断片から生まれる言葉という文字たちは日々動き回り変わり続ける。一瞬に生まれるものには違いないが、日々日々ノートに書きつけられたその思考性の積み重なりの上にある。そもそも思考とは一体全体なんなのか。今回も言葉という思考を軸に、何千年も前、あるいは千年も未来と自由に行き来する。その過程はなにか壮大なフィクションを辿るようでもあり、馬鹿げた妄想のようでもある。しかしそもそも人という生き物が思考の果に新しい文明というテクノロジーを手に入れ続けているとすれば、この文字という言葉の痕跡なくして今日至らないわけで、ハシグチリンタロウは等身大の身体をもってイマに対峙するのである。今回は、コロナ禍のため直前でメディア向けの以外開催が中止となった「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2020」での作品、1000年後の世界で過去の遺産的言葉を錬金術的に扱う存在「MINOR MAKER」や「AMAZONから来た男」と称する最新のシリーズなど登場する。大きな紙にタオルで書きなぐる姿と画用紙に鉛筆で書き綴るライトさ。アナログでありながら感性を持った最新の記号、一番身近なものを媒体、処方として彼は今日も進化しようと「言葉」しているように思う。
Gallery NAO MASAKI 正木なお
紙、の、薬。
ペーパードラッグ。
カネもない、うまくもいかない、
一難去って、また一難。
ダメだこりゃ。
どーにもならん。
いやいや、それをどーにかする。
と、言い聞かせながらやってきた。
けど、頑張れば頑張るほど、
絡め取られていく。ドツボにハマる。
どーにかするから、ますます苦しくなるのか。
いや、どうにかしたいのは本心で、
このトータル全部まる抱えて行った先に
やっと見える景色があるのだろうか。
PAPER DRUG。
それは最も簡素な方法で、
意識の変容を引き起こす。
ブチ込む鬱屈、また来てバグる。
日常生活、問答無用。
仮想現実、妄想世界。
監視社会のアルゴリズムに
ペーパードラッグ闇夜にキメて、
今夜も見参、ぶっこえる。