イベント紹介Event Information
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TEZUKAYAMA GALLERYとMAKI Galleryにて、タムラサトルの個展「ワニがまわる理由(ワケ)は聞かないでほしい」が2022年9月16日(金)から10月15日(土)までの期間、共同開催されます。
本展では、今年6月に国立新美術館(東京・六本木)*1で好評を博した同作家の個展に続き、タムラが30年近くにわたり制作を続けてきた代表作「まわるワニ」シリーズに焦点を当てます。大阪・南堀江と東京・表参道の2会場で合計1,000頭以上のワニが回転し、彩りと動きの爆発が、鑑賞者を非現実的なダイナミズムで包み込みます。タムラのワニは電動の機械装置にも関わらず、作家自身の手で一つ一つ形成され、ユニークな名前を付けられることにより、独特な温かみと個性を有します。
作品そのものの意味性・目的性を徹底的に排することをテーマに制作をしてきた、タムラサトルの原点とも言える「まわるワニ」の過去作から最新作までが一堂に会する機会となりますので、是非ともご高覧下さいませ。
[アーティスト・ステートメント]
ワニがまわる理由は、聞かないでほしい。
大学3年の秋「電気を使った芸術装置」という課題がありました。電気に関する知識がなく未経験の分野だったため、かなり困惑しました。プラン発表の前夜、朝起きて最初に思い描いたものを作ると決めて就寝。翌朝、なぜか「ワニがまわる」という絵が浮かび、それを作ることにしました。
それは、4.5メートルのワニが毎分30回転(1994年当時)する作品で、そのわけのわからなさに、自分で作ったにもかかわらず、何か得体の知れない物に出くわしたかのような、強烈な興奮を覚えました。この時、初めて作家になるということを強く意識しました。
その後、なぜ「ワニがまわる」のか、意味を考えながら、作り続けました。その結果「ワニがまわる」ことに意味があるのではなく、「よくわからないが、なぜかワニがまわっている」という不可思議なこの状況こそが、作品の面白さの本質であることに気づいたのです。
「なぜ、ワニがまわるのか」という問いに、答えはありません。この大きな疑問を、そのまま疑問として持ち帰ってほしいと思っています。
タムラサトル