イベント紹介Event Information
サイトユフジは1949年山形市生まれ。武蔵野美術大学産業デザイン科卒業後渡欧。オーストリア、ウイーンで古典絵画の油彩、テンペラ混合技法を学び、ドイツ、オーストリア、ポーランドなどヨーロッパ各地で作品を発表。約15年の滞在を経て1988年に帰国し、翌年1989年にギャルリー東京ユマニテにて個展を開催しました。その後、山形市を拠点に国内外の展覧会で発表を続けています。
ギャルリー東京ユマニテでは20数年ぶりとなった前回の個展(2017年)ではA.デューラーの木版画『RHINOCERUS』のモデルとなったインドサイGANDAをモチーフとしましたが、そのGANDAは人間の想像力や欲望を刺激したシンボリックな存在でした。
そして、今回の展覧会タイトルは「Canis」イヌ属。サイトはヒトとイヌが重なって見えると言います。これまで様々な動物を描いてきましたが、それらはすべて自然のままではなく、人の手が加わった生命、死であり、自身の目を通して映る人間の日常を描いています。さらに現代社会の様々な不安が大きな炎となって燃え上がっているようです。
今まさに渦中にあるコロナや自然災害など人間を取り巻く社会への大きな不安と向き合い、美術家として葛藤した日々が今回の作品となって発表されます。4年振りとなる新作展をお見逃しなく是非ご高覧下さい。
〈作家コメント〉
火だ
遠くで火が燃えている
火は緩慢に近づいてくる
ふいに
気がついた
いつの間にか燃えさかる火の中にいるのだった
Canis 犬属
ヒトとイヌはとてもよく似ている。
あらゆる犬種は、人間の欲望が創りだした。多様な人間の文化も、欲望が動機だ。いくら外見を変えても骨格と習性は変わらないので、その形体と行動はパターン化できる。