イベント紹介Event Information
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YOD Galleryにて、むらたちひろ個展「borders / boundaries」が2022年7月2日(土)から7月23日(土)まで開催されます。
むらたは、京都市立芸術大学にて染織を専攻後、『染まる/染める』という現象と行為に伴う時間の流れや色相の揺らぎに着目し、作品を制作してきた。
今回の展覧会タイトル“borders / boundaries”は、2017年にむらたが制作・展示した作品群にも用いられていた。一般的に『境界』という意味を持つこの語に関して、むらたは友人より、以下のような話を聞いたという。
“boundary”は、私たちそれぞれが内⾯にもっている「境界」ー 例えば相手をどこまで受け入れるか、ということを意味することがある。また、それは常に⾃分⾃⾝で判断することである。
当時、『曖昧な境界』というテーマに取り組み始めていたむらたにとって、この言葉は自身のコンセプトを色濃く反映するものに感じられたという。むらたの作品を目にする我々にとっても、このタイトルは単に『境界』を指すだけでなく、混ざり合う色と色の境目や、あちら側とこちら側との隔たり、過去の記憶と現在との分断など、多義的な意味を含んでいるように思われる。
境界線を引くことによってではなく、『染め』特有の曖昧さによって、本展は、染色によって描かれる“曖昧な境界”によって、日々の生活の中で看過されがちな領域や、明確に線引きすることで失われてしまうものを見つめ直すきっかけとなるかもしれない。