イベント紹介Event Information
MISA SHIN GALLERYは、9月25日(金)から11月7日(土)まで、ギャラリーアーティストによるグループ展「Drawings」を開催いたします。
崔在銀の新作「No Borders Exist in Nature」は、時間と露光によって淵が焼けた古い図鑑の1ページに、黒鉛で描いた詩のドローイングです。時の堆積が刻み込まれている紙に、崔の活動の根底にある自然についての思索と共生、そして人間中心主義を反省する言葉が、細密に綴られています。
また、崔が構想する「Dreaming of Earth project」(朝鮮半島を南北に隔てる隔てる非武装地帯DMZの豊かな生態系を守り、自然と人との共生を探るプロジェクト)に賛同した川俣正による”Big Nest”のドローイングとマケットを合わせて展示します。川俣は、DMZ内の崖に大きな鳥の巣を作ることを考えました。それは鳥だけでなく、他の動物や人間も休むことができる安全な場所であり、人の往来における中継地で人が集うコミュニティでもあるのです。
建築家である磯崎新にとってドローイングは、それが建築のためのスケッチであれ、旅の記録であれ、思考のプロセスにおける最初の産物です。南京の都市計画は、磯崎が指名した複数の建築家やアーティストが都市の個々要素である建築を設計した建築キュレーションプロジェクトで、建築や都市をその枠組から解き放ち、美術の文脈で捉える磯崎独自の思想が反映されています。また、97年に初めて旅をした中国、桂林の岩山を船の上から描いた、マンハッタンの高層ビル群を想起させる水彩画も展示いたします。
フランシス真悟は、ロサンゼルスと横浜をベースに活動するアーティストです。コロナ禍において都市間の移動が出来なくなったフランシスは、ロサンゼルスのスタジオで一日一点のドローイングを描く新シリーズ”Daily Drawing”の制作をはじめました。このシリーズは、毎日欠かさずメディテーションのように描くことを自分に課し、世界的なコロナ禍の状況に対するフランシスの応答を、ドローイングという身体的な行為で表現したものです。
篠田太郎は、主に彫刻、ビデオやインスタレーションの作家として知られていますが、そのキャリアの最初期から水彩のドローイングを制作し続けています。作品のプランやアイデア、篠田の記憶の断片、その時々に興味を持ったものなどが、アーティスト自身とも思える裸の男とともに描かれます。コロナ禍での自粛期間中に制作されたこれら瑞々しい色彩と繊細なラインによるドローイングは、不確実な未来への応答として様々な問いを投げかけています。
“ドローイング”とは、作家にとって多様な意味を持ちます。それはアイデアの記録や思考の出発点であり、制作の原点への回帰ともなり、時に自分自身に向き合い、何が大切なのかを謙虚に探るための方法でもあるのです。5人のアーティストによる「Drawings」展を、どうぞご高覧下さい。
スケジュールSchedule
2020/9/25 - 2020/11/7
火-土 12:00−19:00
(日月祝休)
開催場所Place
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東京都港区白金1-2-7