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OAP彫刻の小径2021-2022:
林武史+松井紫朗
doodling – ちょうこくかのらくがき
2人の彫刻家、松井紫朗と林武史が、空間と時間に「ラクガキ」をするように自由な発想で対話を重ねることで生み出された作品たち。それらを〈OAP彫刻の小径〉に沿って展開することで、小径の背景を流れる大川、そして、水都大阪の風土、歴史と呼応するように、水にまつわる様々な現象や行為を想起させ、さらには拡張する造形の世界が登場します。
野外彫刻は私たちの日常生活とつながった場所にあります。その魅力のひとつとして、私たちが普段見すごしているような何かに気づかせてくれることが挙げられます。今回のテーマにある「ラクガキ」は、公園の砂場で子どもたちが遊んだ形跡のように、特定の意味に回収されないような原初的で多義的な造形物を意味しています。土や水や植物など、彫刻の専門家でなくても扱うことのできる素材も用いられますし、制作もシンプルな行為であることが意識されています。それは一般に考えられている彫刻からは少し離れたものと思われるかもしれません。
しかし、ここには、素材と環境と鑑賞者がかかわることで導かれる、彫刻と呼ぶより他のない空間が生まれてくることになります。また、これらの彫刻は、抽象的な姿をしているとしても、具体的な何かに見立てることもできるはずです。この意味で、「ラクガキ」とは、日常のなかにあるモノや所作を彫刻に変換するための作法といえるかもしれません。こうして生まれる形や空間は、鑑賞者に発見と親しみをもたらすことになります。
天候や動植物による周囲の影響を受け容れ、また、行き来する人々の視線や身体、想像力に働きかけるこれらの彫刻を通じて、日常のなかに埋没して見えなくなった、この場所がもっている面白さを再確認していただければと思います。
■OAP彫刻の小径について
OAP彫刻の小径は、天神祭でも知られる大川を臨む水辺のプロムナード沿いに位置します。一年半毎にテーマを設けて展示替えを行い、親しみや
すくをモットーに国内外で活躍する気鋭作家の作品を紹介する野外彫刻展を開催しています。