Arts Towada 十周年記念事業
十和田市現代美術館 常設作品入れ替え・新作公開のお知らせ
塩田 千春 ／ 名和 晃平 【 2021 年 4 月 1 日（木）より一般公開】
レアンドロ・エルリッヒ【 2021 年 12 月より一般公開予定 】

十和田市のまちを美術館にするプロジェクト“Arts Towada”が 10 周年を迎えたことを機に十和田市現代美術館は、開館以来初となる常設作品の入れ替え、展示室の増築、寄託された作品の展示を行います。当館は、2008 年に常設作品を中心とし開館、2010 年には美術館の屋外のアート広場に作品を展開し、“Arts Towada”は完成いたしました。同時代性が求められる現代美術において、作品をアップデートしていくことを重要と考え、2021 年度以降新たな作品を 3 点公開いたします。常設作品として、2021 年 4 月 1 日（木）にはドイツ在住の塩田千春が十和田をモチーフにした新作を発表します。国内外の芸術祭や展覧会で公開された、船と糸を使用した作品のシリーズで、国内の公立美術館では初めての常設作品となります。12 月には、アルゼンチン出身のレアンドロ・エルリッヒの作品が新しい展示室とともに公開予定となります。さらに、十和田市現代美術館の新たな試みである、期間を限定して公開する寄託作品として、4 月 1 日（木）より京都在住の名和晃平の作品が美術館内の新たなスペースに展示されます。
Arts Towada 十周年記念事業として 2021 年は、目まぐるしく変化していく現代とともに、美術館も時代を捉え、更新を続けていきます。

■常設作品
2021 年 4 月 1 日（木）より一般公開 ： 塩田 千春《水の記憶》
2021 年 12 月より一般公開予定 ： レアンドロ・エルリッヒ《建物̶ブエノスアイレス》
■寄託作品
2021 年 4 月 1 日（木）～2023 年 9 月まで展示予定 ： 名和 晃平 《PixCell-Deer#52》
※作品入れ替えに伴い、キム・チャンギョム《メモリー・イン・ザ・ミラー》は展示室から撤去し、再展示までの
期間、収蔵します。

【 常設作品 】
■2021 年 4 月 1 日（木）より公開
塩田 千春《水の記憶》
本作品は、十和田市現代美術館の常設作品のための新作です。作家塩田千春は十和田市に作品を展示するにあたり、「十和田湖」に着想を得ました。十和田湖は 22 万年前の火山活動によって形成されたと言われており、水と深い関係を持つ十和田の地に、水に浮かびながら時間と記憶を運んでいく船をこの場所に繋ぎとめるように赤い糸で編んだ作品を展開します。インスタレーション作品の一部には、十和田湖で使用されていた船が使用されます。この船は、塩田の制作のテーマである「存在とは何か、生きているということはどういう意味なのか」や「私たちは何を求めて、どこへ向かおうとしているのか」という問いに寄り添っています。赤い糸は、血液や血管の体内を循環する小宇宙の象徴であり、人と人とをつなぐ糸でもあります。糸はぴんと張られ、絡まっている部分もあります。その一方で、糸は切れることなくその関係性が続くことを表しています。

■2021 年 12 月より公開予定
レアンドロ・エルリッヒ《建物̶ブエノスアイレス》
体験型の大規模なインスタレーションで知られるレアンドロ・エルリッヒの《建物》を、世界で初めての常設作品として展示します。今回、作家は故郷アルゼンチンのブエノス・アイレスで馴染みのあるファサードを選びました。鑑賞者は、鏡の効果によって、重力に逆らうように自由なポーズを建物の表面で取ることができます。シンプルなトリックでありながらも、現実ではありえない光景の中にいる自分自身の姿は、初めて目にする人々に戸惑いと驚きをもたらすでしょう。鑑賞者が作品の中に入り込むことによって成り立つ作品である一方で、ポーズを取る人々の様子とそれを内包した空間を観察する鑑賞者たちの存在など、鏡を介して複数の視点が存在する作品でもあります。

【 寄託作品 】
十和田市現代美術館の倉庫を新たに改修し、寄託作品を展示いたします。当館での寄託作品の長期展示は初の取り組みとなります。
※寄託とは：美術品の所有者が作品の所有権を留めたままま、美術館で展示、または保管すること。
■2021 年 4 月 1 日（木）～2023 年 9 月まで展示予定
名和 晃平《PixCell-Deer#52》
名和晃平の代表作でもある「PixCell」シリーズの《Pix-Cell-Deer♯52》の寄託を受け、期間を限定し公開します。「PixCell」は、インターネットを介して集めた動物の剥製や楽器などの物体の表面を、透明の球体で覆った彫刻作品です。私たちがネットを介して見ている物体は、パソコンや携帯などの画面の細胞(セル)を介して見ています。「PixCell」は、普遍的となっている情報社会の現状を彫刻作品として
表現しています。セルで覆われることにより、異なる物体でも同一の質感に変化します。また、セルのレンズの効果によって、物体（の表面）は拡大され歪曲されます。現物はセルを通してしか見ることができず、触覚的にも視覚的にも捉えることができなくなります。

• 名和晃平
• 塩田千春

2021/04/01 - 2023/09/30

美術館：9:00 – 17:00（最終入館 16:30）
休館日：月曜日（月曜日が祝日の場合は、その翌日）、年末年始
※イベントや工事、メンテナンス等で臨時休館させていただくことがございます。

十和田市現代美術館
青森県十和田市西二番町10-9

観覧料について
大人：1200円　※企画展転換期中は520円。
＜2021年の企画展転換期＞
2021年8月31日(火)～2021年9月17日(金)
この期間中は、企画展をご覧いただけません。

高校生以下：無料
※イベントなど、別途料金をいただく場合があります。

十和田市現代美術館常設展示市民無料デー：毎月10日、十和田市民は常設展を無料で観覧できます。
10日が休館日の場合は、前日が市民無料デーとなります。
マイナンバーカード、免許証や保険証など住所が確認できるものを受付に提示ください。

[オフィシャルサイト]
https://towadaartcenter.com/