イベント紹介Event Information
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Room_412にて、「野山のなげき」展が1月26日(水)から2月5日(土)まで開催されます。
本展は、幕末・維新期に伴林光平らによって行われた山陵調査を起点に今日の芸術におけるアヴァンギャルドの成立可能性を考察します。メインストリームなきアートシーンと現在のポストトゥルース的状況を、かつて尊皇運動の文脈で要請された山陵調査と大胆に接続し、ふたたび前衛を駆動させるためのイデオロギー創出へのフローとして再呈示しようとする試みです。「戦後美術」のタームだけでなく、あらゆる日本文化論がタブーとして触れようとしなかった運動の実践における天皇の取り扱いという問題に鋭く切り込みます。明治以降の西洋文化偏重と伝統的イデオロギーの軽視が現代日本における体系のなさというものの原因なのだとすれば、美術の世界においてその状況は現在に至るまで続いているといえるでしょう。その状況下で今日無数に呈示され続ける、受容も継承もされることのない『承認されえぬ神話』を現前させる展覧会です。