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金沢21世紀美術館にて、「特別展示: オラファー・エリアソン」が2022年7月23日(土) から9月11日(日)まで開催されます。
金沢21世紀美術館でオラファー・エリアソンの話題作《太陽の中心への探査》を収蔵後、初お披露目
エコロジーと再生可能エネルギーへの関心から生まれたサステイナブルな実践が、現在のエコロジー下における芸術の可能性を提示し、私たちをマジカルで新しい知覚体験へと誘います
オラファー・エリアソンは1990年代初めから、写真、彫刻、ドローイング、インスタレーション、デザイン、建築など、多岐にわたる表現活動を展開してきました。とりわけアートを介したサステイナブルな世界の実現に向けた試みにおいて国際的に高い評価を得ています。
本展覧会は、エリアソンのエコロジーと、再生可能エネルギーへの関心から生み出された作品《太陽の中心への探査》を収蔵後初めてお披露目するものです。本作品は、ガラスで覆われた多面体と太陽光発電ユニット(ソーラーパネル及び蓄電池等電源供給システム)により構成されています。作品の中心部に光源が取り付けられており、そこから突き出したアームの先のライトがゆっくり回転することによって、部屋の中央に固定してつられたガラスの多面体があたかも回転しているかのように、光が動いて部屋を照らし出します。スタジオ・オラファー・エリアソンの開発した偏光フィルターが装着されたガラスの多面体からの光は部屋全体に銀河のように輝くリフレクションを投射し、見る者を作品世界へと没入させ、魅了します。それは我々の生存に欠かせない太陽とその周囲を公転する惑星との関係を想起させるとともに、この世界を成り立たせている構造や法則への志向も見てとれます。
光庭に設置したソーラーパネルから得た電気エネルギーを得て動く本作品は、地球環境の不可逆的な変化に見舞われている私たちに、伝統的な進歩史観への再考を促し、持続可能な社会に向かう新しい視点を呼び覚まします。本展覧会を通じ、現在のエコロジー下における芸術の可能性と、複合多面体と光の反射が生み出すマジカルで新しい知覚体験をお楽しみください。
金沢21世紀美術館がオラファー・エリアソンの話題作
《太陽の中心への探査》を収蔵後、初披露
金沢21世紀美術館は、2020年に東京都現代美術館で開催されたオラファー・エリアソンの大規模個展「オラファー・エリアソンときに川は橋となる」で話題となった《太陽の中心への探査》(2017年)を2021年度新規収蔵作品としてコレクションしました。この度、当館は本作品収蔵後、初めて、《太陽の中心への探査》をお披露目します。
オラファーのエコロジーと再生可能エネルギーへの関心から生まれたサステイナブルな実践
オラファー・エリアソンのエコロジーと再生可能エネルギーへの関心から生み出された本作品は、太陽光をエネルギー源とし作動するシステムです。環境が地球規模で変化し、逆戻りできない状況に直面している今日において、私たちに人間中心的な文明の繁栄ばかりを志向する考え方への再考を促し、持続可能な社会に向かう新しい視点を呼び覚まします。
エコロジカルな視点で生み出された本作品が私たちをマジカルで新しい知覚体験へと誘います
ガラスで覆われた複合多面体と太陽光発電ユニットによって構成された本作品が、当館の特徴ある円型の展示室に設置され、展示室全体に輝くリフレクションを投射します。鑑賞者は作品の周りを歩きながら、自身の知覚体験が変容していくのを感じることでしょう。