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Gallery Seekにて、「北島優子 日本画展 -obsession-」が4月28日(木)から5月8日(日)まで開催されました。
北島優子の作品で一番のこだわりを感じるのは“はえぎわ”。美人画の“美”、その根源がどこに宿るのかを問いかける様な強烈フェチズムと、それを際立たせる上品な表現。「フェチを上品に」というテーマを掲げ、顔を描かなくて も成立しうる唯一無二の美人画の可能性を探ります。今回のサブタイトルは“Obsession”。『執着・執念・妄想・病みつき・凝り性・偏愛』のような意味があり、以前よりこだわりを持って描いている生え際の他に、『ヒラヒラしている薄いもの、透けるもの』『繰り返す繊細なもの』を北島氏ならではのObsessionとして作品に取り込んでいます。
【Comment】
画材は、墨、胡粉、土絵具、岩絵具、アクリル、パステル等で制作しています。 画題は女性像の場合が多いのですが、はえぎわの描写はできる限り執拗にと思っています。 幼い時の妹の髪を編むときの心地よい緊張感、白い頭皮と細い黒髪のコントラストなどを心から美しいと思ったことが最も原始的で強烈な描く動機となっています。 それから、掴めそうで掴めない霧や煙のような一筋縄ではいかない女性の詩情を描こうとするとき、人物の纏う衣装・装飾の表情や素材感に想いを重ねて描くことが多いです。 衣類装飾は肌を覆いますがときに内面をあぶり出します。 偏愛するものを執念深く描き切りたいと思いつつも、根底にどこか品を漂わすような人物像を描くことは永遠のテーマであり、自分を解放し許すことでもあると思っています。(北島優子)