イベント紹介Event Information
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ギャルリー東京ユマニテにて、井上雅之展―多摩美術大学退職記念―が2022年4月4日(月)から4月23日(土)まで開催されます。
井上は1957年神戸市生まれ。多摩美術大学大学院美術研究科修士課程を修了後、1980年代から陶を素材に立体作品の制作を試み、国内外の展覧会で発表。多くの美術館などに作品がコレクションされています。また、2017年には「第24回日本陶芸展」で大賞受賞するなど現在も精力的に発表を続けています。
土を捏ね焼しめて生成される陶は古来から用の美の器として使われてきましたが、井上はその身近な素材でいくつものパーツを組み上げ構成し、大規模なかたちを作り上げるという新たな手法で日本を代表する作家の一人として活躍。陶という自然の力と自身の身体をとおして生成される強固な素材で様々なかたちを立ち上げようとしています。
また、井上は制作の傍ら、母校である多摩美術大学工芸科で1998年から教鞭をとってきましたが、来春をもって退職となり、今回は退職記念の展示となります。3年振りの新作展となる本展は、今にも動き出しそうな生き物を彷彿とさせる2mもの巨大な作品を中心に小品なども含めて発表します。
さらに、6月には茨城県陶芸美術館にて学生時代に制作した初期作品から最新作まで約65点による回顧展も開催されます。併せて是非ご高覧下さい。
〈作家コメント〉
自身の成したことを十全に俯瞰することは叶いませんが、振り返る機会を得ています。20代半ばにロクロと出会って始めた仕事と、40年余りの時を経て眼前にある作品が根源的には同様、同質であると実感しています。素材というか、物質というか目の前にある存在に誘われ、それへの感応の形象化を続けています。