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パナソニック汐留美術館にて、「ブダペスト国立工芸美術館名品展 ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ」が10月9日(土)~12月19日(日)に開催されます。
古くから、日本や中国の工芸品は西洋にとって憧憬の的でした。とりわけ陶磁器やガラスの製品においては、日本や中国の工芸を手本として、材質、形状、装飾などの面で様々な試行錯誤が繰り返されてきました。19世紀後半、日本の美術工芸品がヨーロッパに流入すると、日本の文化に対する人々の熱狂を巻き起こし、西洋の工芸品やデザインに影響を与えるようになります。1854年の開国以降、日本では欧米との貿易に拍車がかかり、ヨーロッパやアメリカの愛好家の求めに応じて多くの美術品や工芸品が輸出されました。日本の文化、また日本そのものに対する憧れによって、ジャポニスムは西洋の作家やデザイナーたちの間で流行のスタイルとなったのです。その影響は、19世紀末の西洋諸国を席巻したアール・ヌーヴォー様式の作品にも大いに見られます。そして、ヨーロッパ諸国の他の工芸美術館と同様、ブダペスト国立工芸美術館も1872年の開館当初から、ジャポニスム様式の作品とともに日本の漆器や陶磁器を始めとする日本の工芸品を積極的に収集してきました。
本展覧会は、日本の美術を西洋がどのように解釈したか、そして日本の美術や工芸がどのようにして西洋に影響を与えたか、そのありようを19世紀末葉から20世紀初頭までの工芸作品の作例を通じて辿るものです。ジャポニスムとアール・ヌーヴォーをテーマに、ブダペスト国立工芸美術館のコレクションからエミール・ガレ、ルイス・カンフォート・ティファニーらの名品とともに、ジョルナイ陶磁器製造所などで制作されたハンガリーを代表する作品群を含めて約170件(約200点)をご紹介いたします。
展覧会のみどころ
1:欧米における工芸のジャポニスムおよびアール・ヌーヴォーの展開を、ブダペスト国立工芸美術館のコレクションでたどる
19世紀後半のヨーロッパで、日本の美術や工芸の影響を受けた作品が様々な分野で作り出されるようになった現象のジャポニスムは、やがてアール・ヌーヴォーの源泉ともなります。工芸においても、イメージの模倣から始まり日本の装飾技法の研究を通じて、その魅力の根底にある自然へのまなざしや素材自体の効果を学び、探求が行われます。本展ではその様相を多数の優れた作例によってご紹介いたします。
2:ミントン社、エミール・ガレ、ドーム兄弟、ルイス・カンフォート・ティファニー、ビゴ社、ベルリン王立磁器製作所などの名品
ブダペスト国立工芸美術館の陶磁器ガラス部門から、国際的にも名高いアール・ヌーヴォーのコレクションをお目にかけます。これらには、19世紀末から20世紀初頭、作家や工房からの直接購入や、1900年のパリ万博での購入など、同時代の名品として集められてきた作品が多くあります。本展には収蔵以来の初公開作品や、国内外の展覧会から出品依頼の絶えないスター作品が選ばれて展示されます。
3:ハンガリーの名窯ジョルナイ陶磁器製造所の名品が多数出品
ハンガリアン・アール・ヌーヴオーにおいて大変重要な工房のひとつであるジョルナイ陶磁器製造所が制作した48件(56点)の作品が出品されます。ジョルナイ独自のエオシン彩が施された作品だけでなく、ファイアンスフィーヌのティーセット、結晶釉の壺、炻器による水差しなど多彩な素材と装飾で幅広くジョルナイの魅力を感じていただけます。
<開催記念講演会>
講演テーマ:「日本工芸とジャポニスムおよびアール・ヌーヴォー」
講師:木田拓也氏(武蔵野美術大学教授、本展監修者)
日時:2021年11月3日(水・祝)午後2時~午後3時30分
定員:50名(要予約)
会場:パナソニック東京汐留ビル5階ホール
予約方法:ハローダイヤル(050-5541-8600)へお電話にてお申し込みください。
10月9日(土)より受付開始(受付時間:午前9時~午後8時)
※詳細はパナソニック汐留美術館
公式ホームページをご確認ください。
オンラインギャラリートーク「展覧会のツボ」
配信予定日:10月31日(日)午後3時~/11月2日(火)昼12時30分~/11月4日(木)午後7時~
ご自宅のパソコンやスマートフォンなどからご視聴ください。
※詳細はパナソニック汐留美術館
公式ホームページをご確認ください。