イベント紹介Event Information
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アートコートギャラリーにて、福本潮子の6年振りの新作個展「藍の青 2021」が9月25日 [土] より開催されます。
「古布の魅力の次世代への伝承」をテーマに、作家が意欲的に取り組む古布のシリーズの新たな展開を見せる展覧会となります。
福本潮子は現代藍染の世界の第一人者として、実績を重ね、揺るぎない評価を確立してきました。40年におよぶ染色作品制作の過程で、作家は私たちの文化がこれまでに伝承し、作り続けてきた非常に上質な布と出会いました。それらはかつて農漁村の仕事着として使われ、あるいは江戸期の武家の衣装として使われた布です。それぞれの役目を持って使用された貴重・希少な「古布」を作品素材とする制作を福本は20年以上継続しています。古布は福本の類稀な感性、そして素材への深い理解・敬意と出会うことで、輝きのある美術品となって蘇ります。古布の真価が若い世代の感性にも響き、受容されるものとなることが期待されます。作品の制作発表を通じて、古布の伝承を現代に活きる形に発展させる作家の情熱に触れていただければ幸いです。
作家が使用する古布について、当時と同じクオリティの布を作るには、材料調達の困難さに加え、高度な技術、忍耐強い長時間労働が入用であることが多く、その生産のほとんどが現代では途絶えてしまい、それらは古布としてのみ入手可能なものとなっています。
◇ 本展作品に使用の古布:
苧麻、藤布、越後上布、対馬麻、オクソザックリ、大麻 ほか