新聞、テレビ、ネット等、日常的に目にするあらゆる写真や映像は、ピクセルやドットといったいわゆる「点」によって表されています。そして、解像度とはそれらの密度を表す言葉ですが、私達が普段その点を意識することはさほどありません。何故なら、点といっても殆どの媒体で表現される画像は、極微の密度による点によって構成されているからです。特に現代の高度な技術によって生み出された画像は、高精細かつ鮮明であり、見る者に大きな感動や驚きを与えてくれます。
　然し、単に解像度が高ければ高いほど、観るものに感動をもたらす、という単純なものでもありません。例えば、昔のアルバムを紐解く時に、その写真がどれだけ古ぼけた低解像度のものであっても当人にとっては大切な思い出であることに違いはないでしょう。

　私は普段ペンを使いドローイングを制作していますが、どれだけ細密に描こうとしても、それが高解像度の写真の密度に勝ることはありません。だからといって私は描くこと自体が無意味な行為とは到底思えないのです。表現方法がアナログであってもデジタルであっても、人の心に訴えかけようとする「思い」に違いは無いはずです。

　本展は、「解像度」という一つの密度の単位に焦点を当て、写真の登場以後変異し続けてきた、現代絵画の持つ役割や意味をドローイングによって紐解いてゆく展覧会となっています。

• 岡本 博紀「解像度-Resolution-」

2020/2/4 - 2020/2/9
営業時間：13時〜19時 定休日：月曜日

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