平田実は 1930 年東京生まれ(2018 年没)。国会速記者を経て、独学で写真を始める。1953 年『アサヒカ
メラ臨時増刊 國際寫眞サロン』への写真発表をもって実質的な写真家デビューを果たし、以降フリー・フ
ォトジャーナリストとして活動。1950 年代から 70 年代にかけて、戦後復興から高度経済成長へと向かう
東京の街や社会、市井の人々の姿を記録する。また 1960 年代には、小野洋子、赤瀬川原平、篠原有司男、
ハイレッド・センター、ゼロ次元といった前衛美術家たちの活動を写真に収め、週刊誌への掲載を通し広
く紹介。対象や状況に積極的に関与し主体的に撮影を行う平田の姿勢は、1960 年代後半から 70 年代前半
の沖縄を捉えたシリーズや、スカイ・スポーツを取材した写真群としても結実している。近年の主なグル
ープ展に「Postwar: Art Between the Pacific and the Atlantic, 1945–1965」Haus der Kunst(ミュンヘン、
2016 年)、「Japanorama. New vision on art since 1970」Centre Pompidou-Metz(メッス、2017 年)、「1968
年―激動の時代の美術」千葉市美術館、北九州市美術館分館、静岡県立美術館へ巡回(2018-2019 年)、「ア
ジアにめざめたら―アートが変わる、世界が変わる 1960-1990 年代」東京国立近代美術館、韓国国立現代
美術館、National Gallery Singapore(2018-2019 年)など。主なパブリック・コレクションに Tate Modern、
Hirshhorn Museum and Sculpture Garden、韓国国立現代美術館、東京ステーションギャラリーなど。