イベント紹介Event Information
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KANA KAWANISHI PHOTOGRAPHYは、グループ展『One Picture Manifesto』が2022年9月3日(土)から10月15日(土)まで開催されます。
『One Picture Manifesto』は、現代アートとして発表される写真が実践される場に、ビジュアル表現を用いて一石を投じるプロジェクトです。シリーズで構成される写真ばかりが「作品」として評価されやすい傾向にある現代に「1枚の写真」の意義の強調を試みます。
マルヤ・ピリラ(1957年生)、ハッリ・パルヴィランタ(1971年生)、マイヤ・アニッキ・サヴォライネン(1980年生)、マイヤ・タンミ(1985年生)のマニフェスト発起人である4名のフィンランド人アーティストは、自身の作品制作に対しても写真表現全般に対しても、原点に立ち戻る根源的な問いかけを行います。上記4名に加え、イタリア人アーティストのアレッサンドロ・ダニディーニ・デ・シルヴァ(1981年生)がローマ展より、日本人アーティストの安瀬英雄(1975年生)がKANA KAWANISHI PHOTOGRAPHYでの東京展より、この「1枚の写真の考察」に加わります。
本展では、各作家がひとり1点ずつ、長い説明文や自身の他の写真群に補完されない、独立したビジュアル作品を発表します。その目的のひとつに、鑑賞者を1枚の写真の前に立ち止まらせ、時間をかけてその1枚と対峙するよう仕向けることがあります。加えてアート写真の形態や存在自体が、写真関連コンテストやフェスティバル、あるいは助成金などのパラメーターによって、どの程度規定されうるのかの検証も試みます。
『One Picture Manifesto』は、2019年9月にフィンランド・ヘルシンキのフィンランド写真美術館での展示を皮切りに、2022年4月にローマへ巡回し、KANA KAWANISHI PHOTOGRAPHYでの東京展の後は、2023年春にThe Reference(ソウル)へ、2023年初夏にはオーストリアへの巡回を予定しています。巡回展の度に現地アーティストが1名招待され、マニフェストに沿った新しい写真作品が制作されることで、展示作品数が増えていきます。
One Picture Manifesto
一枚の写真がアート作品である。
簡潔で、必要なすべてが含まれている。
提示し、呼応し、回答し、新たな思考の道筋を描きだす。
始まりであり、終わりである。
一枚の写真。
これ以上に必要なものは無い。