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金沢21世紀美術館と国立工芸館の所蔵作品によるコラボレーション展 『「ひとがた」をめぐる造形』が2022年7月23日(土)から9月11日(日)までの期間、開催されます。
あなたの目の前に高さ40センチほどの、人の形をした作品があります。あなたは「人形」だと思いますか。それとも「彫刻」だと思いますか。また、その作品がヤキモノだったとしたら「陶芸」でしょうか。さらにそれが等身大だったらどうでしょう。このように、人の形をした造形の中には、大きさや素材・技法などを手掛かりにしてそれが何であるかを考えることが少なくありません。しかし、それが作品を鑑賞することに重要かどうかは判断が難しいことがあります。現代の若者像を着想の原点に、陶による表現で作品を構築する北川宏人(1967年生まれ)や、伝統的な博多人形の技法を用いつつ、ロマンあふれる作品を生み出す中村信喬(1957年生まれ)らの人の形をした造形「ひとがた」を通して、あらためて「工芸」や「美術」を考える機会とします。
ゲスト・キュレーター唐澤昌宏(国立工芸館館長)
<展覧会の特徴>
国立工芸館と金沢21世紀美術館との初のコラボレーションが実現
本展は、2020年10月に東京から金沢へ移転・リニューアルオープンした国立工芸館と、金沢21世紀美術館との初のコラボレーション展です。ゲストキュレーターに国立工芸館館長の唐澤昌宏氏をお招きし、両館に共通する所蔵作品から着想を得た、「ひとがた」をめぐる造形をテーマに開催します。金沢21世紀美術館ならではのホワイトキューブの展示室に、多様な「ひとがた」の造形が、魅惑的な作品世界を創出します。
なぜ「ひとがた」なのか
本展は、工芸の分野では「人形」、美術の分野では「彫刻」と捉えられてきた「ひとがた」について、その造形表現における豊かさを探究する試みです。古来より、国境を超えてアーティストや職人が様々な素材や技法を探索し、取り組まれてきた人体表現は、今なお探究され続けるテーマといえます。本展は、制作スタイルの異なる国際色豊かな現代作家の作品を通じ、分野や分類の別を超えた人体表現の本質に迫ります。
伝統に学びつつ、新しい表現方法を探究する作家たちの多様な造形表現に着目
現代の若者像とその内面性を、古典的彫刻技法であるテラコッタにて象徴的に表現する北川宏人、博多人形の伝統的技法を用いつつ、西洋彫刻の要素も取り入れたロマン的作風で知られる中村信喬、あらゆるメディアを通じ、鋭い批判精神とユーモアで人間の本性を描き出すイギリス出身のグレイソン・ペリー、磁器特有の透明な質感によりファンタジックでありながらリアルな存在感を放つ人形表現を特徴とするドイツ出身のアクセル・ローマン・ルーカスなど、伝統に学びながら新しい技術や素材、表現方法を探究しつづける作家たちの多様な造形表現をご紹介します。
<関連プログラム>
本展ゲストキュレーターの唐澤昌宏氏(国立工芸館館長)をお招きし、トークを開催します。
日時:7月23日(土)16:30~18:00
場所:金沢21世紀美術館レクチャーホール
登壇者:唐澤昌宏(国立工芸館館長)
料金:無料
定員:一般70名(要事前申し込み・先着順)
申込方法:
金沢21世紀美術館WEBサイトのお申し込みフォームにて受付