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eN artsにて、深澤伊穏個展「加速浸食」が2022年7月8日(金)から7月31日(日)まで開催されます。
インターナショナルスクールを卒業後、オーストラリア ニューサウスウェールズ大学美術学部を卒業。陶芸に魅せられた深澤は日本に帰国後、多治見市陶磁器意匠研究所セラミックスラボにて本格的に技術を学びました。
深澤は、風化や浸食という自然現象に着眼し、それらの現象を陶磁器にて人工的に表現出来るか否かを試行錯誤しています。自身の手により作られた人工の造形物が自然に変形したり、作為をもって施した釉薬が自然に垂れ落ちていく様を観察しつつも コントロールし、素材や造形が作品内で「自然と人工」「作為と無作為」を往来するのを表現してゆきます。
本展では、オーストラリアより帰国してからの3年間、岐阜県多治見市にて制作してきたシリーズ「回転」「加速浸食」「石の上」より最新作をご披露致します。深澤伊穏の京都での初個展を是非ご高覧下さい。
eN arts | ロウ 直美
加速浸食
陶磁器を実験的な制法を用いて、素材の物理的な境界を試し、壺や花器を文明として見立て、「壺らしさ」の概念を探求しています。粘土の天然素材を扱うときのプロセスがどの程度まで自然現象なのか、人工的なのかが、よく疑問に思うことがあります。海岸崖の浸食を観察するときにも同様の疑問が生じます。このプロセスは、私たちの環境の消費によって加速されているのでしょうか? _壺の形と粘土の岩のような質感によって物質的に表現され、自然の要素によって形作られている表情を与えます。土の自然な動きをどの程度まで介入するかを意識して、これらのあいまいな境界の中で制作しています。
深澤 伊穏