イベント紹介Event Information
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√K Contemporaryにて、東京藝術大学デザイン科修士課程に在籍する新進気鋭のアーティスト、長谷川彰宏の初個展「よもぎとコンプ」が2022年6月25日(土)から8月6日(土)まで開催されます。
√K Contemporaryの地下と1Fの2フロアにわたって開催される本展では、異次元的な空間に、長谷川が自身の経験から得たヒトの信仰心をテーマとした作品群や、人間という存在に向き合い描かれているポートレート作品等を展示します。
【本展について】
天台宗の寺に生まれた長谷川は、比叡山での修行を経験しました。
感情、思想、身体、そして生命の存在に対して俯瞰した視点を持つ長谷川の作品群は、彼の根幹をなす仏教思想から得た独自の姿勢が垣間見え、死生観や人間の存在そのものを問いかけてきます。本展に出展する「懺悔・来迎・祈り、あるいは地平線。」(2022・KUMA Exhibition 2022出展作品)は、アクリル板の表裏に絵具を重ね、ブルーやピンクといったビビッドな色使いの中に坊主のようなデフォルメされた人物が独特のタッチで描かれ、アクリル板の存在が、まるで現世と常世の隔たりと繋がりを表現するかのような幽玄な作品となっています。それに対して、「生」に正面から向き合い描かれたポートレート群はヒトの中にある表裏、生命の強さと危うさといった、ヒトの存在の相対性と向き合いながらもこの種に対する期待を描きとった作品となっています。
デジタル化と共にこれまでの封建的な「物質」社会からより自由な「思想」社会へと変動している今、これからの思想が行く先を提示するかのような長谷川の作品群は、今後の未来を創造していくフレームワークの一つとなるのではないか。
本展を通じて、次世代を想像してみていただけましたら幸甚です。