イベント紹介Event Information
※新型コロナウイルス感染拡大による社会情勢に伴い、美術館およびギャラリー施設において休廊、休館、もしくは会期の変更をしている場合がございます。詳しくは、各施設サイトをご確認いただきますようお願い申し上げます。
東武百貨店船橋店(5階5番地美術画廊)にて、須藤和之「日本画展 -風と光の情景-」が6月30日(木)から7月6日(水)まで開催されます。
私が生まれ育った群馬県では、赤城颪といわれる強い風が吹きます。その風と共に生きる動植物は、力強さだけでなく、しなやかに、そして粘り強く堪え忍ぶ姿をも見せてくれました。揺れ動きながらも、光を浴びようとする自然とともに私もその風をあびて育ちました。さまざまな出会いの中で観た風景に、その風の心地を重ねて描きたい、という気持ちを込めて制作しています。近年では風のテーマはそのままに、日の光も意識して作品を描いています。風と光に育まれ、厳しい中でも成長をとげる自然の形は、そのものすべてが美しい息吹となって、私に与えられた命の尊さについて問いかけてきます。森や泉のような原生の自然な場所を取材している中で、森の若い木々や芽が、大樹の隙間から差し込む光に照らされて成長する姿を見つけて、その純粋な生命力に心をうばわれました。これが光をテーマにしようと思ったきっかけです。現象としての光は今までも描いてきましたが、光と共に成長するという生命の神秘を目に焼きつけたことで、さらに深く光について知りたいと思うようになりました。ただの現象としての光ではなくて、生きとし生けるものの成長や命を照らすような、神秘性を感じるように光を表現したいと思っています。できるだけ、無駄な要素をそぎ落として背景となる余白を広々と増やし、主役が煌めくようなバランスを日々探究しています。