イベント紹介Event Information
※新型コロナウイルス感染拡大による社会情勢に伴い、美術館およびギャラリー施設において休廊、休館、もしくは会期の変更をしている場合がございます。詳しくは、各施設サイトをご確認いただきますようお願い申し上げます。
GALLERY TARGETにて、JUN OSONの個展「Stare」が2月19日(土)から3月5日(土)まで開催されます。
JUN OSONは2005年よりイラストレーターとして活動を始め、2019年の個展開催をきっかけに本格的にアーティストとしての活動をスタートさせました。
今回開催する個展「Stare」(見つめる)では、OSONらしいポップなキャラクター性と同時にそれに相反するような示唆に富んだ作品群を発表致します。
今回の展示で披露される作品は、タイトルにある「Stare」の通り登場人物たちがこちらを見ているにも関わらず、キラキラまるまるした瞳で楽しそうにこちらを見つめるOSONのイラストレーションとは違い、キャンバスに描かれた様々な登場人物たちは、それぞれにどこかしら冴えない表情や空気感を携えています。
それぞれの生き物たちがこちらを見つめる目、お互いを見つめ合う目、またどこかを眺めている目は、物言いたげに、そして同時に物憂げでもあります。
そこにはそれぞれの間に存在する距離感や、距離感を探り合うような空気感に対するもどかしさのような感情が描きこまれ、登場人物同士の、近くにいるようで遠いような、互いを気にしているようで心ここにあらずといったような、絶妙な空気感を表しています。
ここには現代の不安に満ち溢れた社会や、距離感に対して敏感にならざるを得ない世の中に対するOSONの目線が盛り込まれていますが、同時にそれを乗り越えたいという作家自身の祈りのような欲求があると言えます。
OSONの創作性の原点は、『Dr.スランプアラレちゃん』や『キン肉マン』などの幼少期に触れた、底抜けに明るい世界を見せ続ける突き抜けて楽天的な世界観であり、同時に90年代のストリートアーティストたちから影響を受けたユニークでポップな色彩感覚と造形感覚にもあります。
そしてもう1つOSONが作品制作において常に重要視してきているのが多様性です。
人間、ロボット、不思議な生物、想像上の生き物など、様々な登場人物たちはそれぞれのキャラクターとしての存在を謳歌するように表情豊かに存在し、OSONの否定的でも肯定的でもない個々の存在の認知という、受容する姿勢を表しています。
これらの様々なバックグラウンドがあることで不穏で物憂げなテーマをも独特なポップさで包み込んでしまうことができ、こんなにもデフォルメされた生き物たちが不思議とリアルな私たちの姿とリンクしてくるのです。
JUN OSONの新作群をどうぞお楽しみください。