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リコーイメージングスクエア東京(ギャラリーA) にて、Lily Night 写真集刊行記念展「ABSCURA」が2月10日(木)から2月28日(月)まで開催されます。
中国出身のアーティストLily Nightによる写真集『ABSCURA』が赤々舎より刊行される記念展。『ABSCURA』はモノクロ写真が基調となり、淡彩を纏うイメージが見え隠れするシリーズ。故郷の光景、セルフポートレイト、一人暮らしのアパートに両親が滞在中に撮影した写真などが収められている。具象と抽象が混じり合い、一個人の経験の深みに社会的な事柄による投影が窺えたり、切り結ばれ、折り畳まれる時間のなかで、過去として完結されない記憶がもたらす感覚、知性、温度、次元が開示されていく作品約25点で構成。
本写真展は、 ギャラリーアドバイザー・姫野希美氏の推薦による第四弾の写真展となります。
【作品コメント】
言語化される以前の意識を現象のまま切り取り、ドローイングやコラージュなどを付け加えて作品化する手法をとってきた。写真というメディアにおいて、グローバルに加速していく現代社会の精神分析を行う。一個人の無意識が社会の無意識と重なる時、溶け合う時、衝突する時、化学反応が起きる時、どんなイメージ、どんな物質が生まれるだろうか。社会に自分の身を投じて、確かめてみることが制作することだと考えている。暴く、開示する、跡を残す。カオスを論理的に検証しようとする。物質を哲学する。これからは更にジャンルを横断し、越境する作品を提示できたらと願っている。
Lily Night
【姫野希美氏推薦理由】
Lily Nightが写し出す「ABSCURA」は、「abstract」と「obscura」を組み合わせた抽象的な暗箱。作家の思考と制作の原点でもある。東京で一人暮らしをしていたアパートに、中国から両親が訪れた三日間に撮影された写真を契機とする。ある空間に乗り込む身体、その身体を切り開く行為、その行為から生起するイメージは、「家族」という物語を離れた記憶の結節点や、折り畳まれていく時間を感知させる。そして、フレームの外へと見えないものを受け取ろうとする入れ子のパラドックス、空間的視点。個人の生と社会を眼差す、写真の新たな暗箱の提示がここにある。
トークイベント
開催日:2022年2月25日(金) 20:00ー21:30(参加無料・要予約)
登壇者:LILY NIGHT × 山本浩貴 × 姫野希美
予約フォーム:https://forms.gle/YRC2YRTR2ezJ1anj8