イベント紹介Event Information
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GALLERY KOGUREにて王 雪陽(おう・せつよう)による個展「徒然鏡」が7月9日(金)より開催されます。
人は生きていく限り欲望と共にあり続ける。そして欲望は羨望、嫉妬、希望、失望など様々な感情を生み出し、また、欲望を満たすために我々は行動する。しかし、時に自己を見つめ直すと、実際は自身が欲望を生み出し制御しているわけではなく、欲望の傀儡になっていることに気づく。この事実からは逃げることも叶わない。無視し得ず、全てを欲し、己を失い、最後には一切が徒然となる。
元々抜きん出た画力を持っていた王は、陶磁器に於ける絵画感のこれまでの限界を突破すべく、日中陶磁器の加飾技法の融合から始めて研究に数年没頭した。その後、細密で極彩色鮮やかな、顔料自体の量感を生かし立体感豊かな絵画表現を可能にした「疂彩(じょうさい)」という王独自の技法に至った。色彩の階調が明白でありながら、高温焼成であるため、飲食での実用可能であるといのも大きな特徴となっている。疂彩の誕生から数年、彼女の筆使いはさらに進化し、ますます目を見張る内容の濃い作品となっている。
本展では、各作品のテーマを人特有の欲望が作り出す形態とし、日々の様子に映る自身の姿を見ては、沈思黙考して省みることを表現している。