イベント紹介Event Information
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HAGIWARA PROJECTSにて7月17日(土)より、今井俊介の個展"Red, Green, Blue, Yellow, and White"が開催されます。当ギャラリーでは4年ぶりの新作展となります。
今井は、パソコン上で直線のストライプを配置して紙に印刷し、その紙を歪ませてできた曲線の部分をキャンバスに写し描くという方法で作品を制作しています。色彩豊かな縞々の曲線が波打つ画面は、多くの人を魅了しています。
今回発表する作品は、これまでと少し違う視点から制作されました。制作のプロセスは同じですが、まず元のパターンに、ストライプやドットを使わず、規則的に配置された単色の正三角形のみを用いました。そしてその三角形の色には、赤、緑、青、黄という限定した色しか使っていません。
「形」と「色」で絵画が成立するとはどういうことか。今井の探求が、今回の作品へと繋がっています。絵を描くときに使う最も基本的な色、そして規則的に配置した三角形、という一見ミニマルな要素から作られた絵画に、イリュージョンは起こるのか。断片的なパーツとなった形は、どうすれば魅力的なイメージになり得るのか。また今回は、展示会場の壁が木材であるため、作品の白地も「色面の形」として見えることも想定されます。さらに、色やコンポジションについて参照項となる絵画史を、現代の作家がその文脈をどう更新していくことが可能であるか。
そうした様々な考察を重ね生まれた作品は、単純な形態がちりばめられた軽やかで豊かな表現になり、これまでの作品とは違った存在感を出しています。
混沌とする現代の社会状況において、形と色、鑑賞体験という当たり前のことに改めて立ち返ることへの作家の意欲的な試みが感じられる展覧会です。ぜひご高覧いただけますと幸いです。