イベント紹介Event Information
※新型コロナウィルス感染拡大による社会情勢に伴い、美術館およびギャラリー施設において休廊、休館、もしくは会期の変更をしている場合がございます。詳しくは、各施設サイトをご確認いただきますようお願い申し上げます。
荒木悠「約束の凝集 vol.4 」がgallery αMにて開催されます。
---
αM プロジェクト 2020‒2021「約束の凝集」第 4 回は荒木悠の個展である。タイトルはない。
本展は、2009 年ごろの過去作から、未発表作、最新作にいたるまで、荒木悠が撮影した映像を中心に構 成される。
......荒木さん、さすがに短すぎませんか。これプレスリリースですよ。え、これくらいでいい? みんな ポカンってしますよ。ポカンでいい? そうですか。同じポカンなら、良きポカンを目指したいですね。 タイトルを最後に決めようって言ったのはキュレーターじゃないかって、まあそうなんですけど、まさか 無題にするって言われるとは思ってなかったです。ちなみに、もしタイトルをつけるとしたらどうします か?
「イメージ・チェンジ」。 あーそれはいいですね。でも無題なんだ(笑)。
というわけで、本展は荒木悠の個展である。以下、2点補足を設ける。
【補足1】 展覧会メインビジュアルとなっているのは、「約束の凝集」ポスターおよびフライヤーと同様、イタリア の洞窟住居都市マテーラで撮影されたものである。2019 年にレジデンスに招かれた荒木は現地で制作を 試みたが、あまりにもうまく行き過ぎたために(つまり構想したイメージと実際のイメージがあまりにも 一致していたために)納得がいかなかったという。本展企画者も荒木に構想ドローイングを見せてもらっ たが、見事なほど実際に撮影された写真そのままであり苦笑してしまった。なお、来場者はメインビジュ アルと対になるイメージが印刷されたポストカードを受け取ることができる。
【補足2】 荒木悠の作品は、多くの場合、さまざまな協力者なしには成立しえない。近年の荒木の制作は監督業的な 側面も強く、出演、撮影、録音、照明、小道具などを他者に委託したかたちで行われている。今回の新作では、 荒木は撮影にも立ち会わず、編集をも手放し、一切を他者に委ねた作品を「制作」した。これが「怠慢」や「効 率化」では断じてないことは想像すれば了解いただけるだろうと思う。関係者全員がスリル満点の日々を 過ごした。撮影、編集を奥祐司が、コーディネートを本展企画者が務めた。当該作品についてはとりわけ 荒木悠氏の尽力があったことを特筆しなければならない。記して感謝する。
ご高覧のほど、よろしくお願い申し上げます。
長谷川新(インディペンデントキュレーター)