イベント紹介Event Information
2021年、立春あけまして初の展覧会のご案内です。
今週金曜日から中西洋人の個展「繋ぐtsunagu」が始まります。
繊細な感性で森羅万象の姿を刻々と捉え、ダイナミックなカタチへと繋いでゆく。
今回も見応えのある23作が登場いたします。
「時というカタチを繋ぐ」
木彫家、中西洋人によって木塊から生み出される繊細なかたち。様相は土器のようであったり、綱のようであったり様々である。
「自分が今、手をいれなければ目の前で朽ち欠けていく存在がある。手を加えることで最後に形をあらわして繋ぎ止める瞬間が心地良く、木々に導かれながら形を現している。自分がしていることはバラバラになっていく存在をつなぎとめていく行為なのかもしれない。」と中西はいう。
確かにロープという表現も絡み合ったものをほどき、時をつなぎとめていく感じがするし、貝殻の模様が生み出している形は、時間の年輪そのものだ。自然の中で現れる木々の姿は、過ぎていく時が作り出しているもので、そこに一人の人間が手を加えるという行為は中西洋人という繊細な人物にとって、大いなる存在への尊厳と対峙することであり、限りない葛藤との隣合わせということをまざまざと感じる。そして、その行為の先に生まれた形は理由なくして美しいということが彼にとっての救いであり、喜びであるように、我々はともに感動を享受するものである。
Gallery NAO MASAKI 正木なお