イベント紹介Event Information
近年「疾患と治癒」をテーマに立体や映像でのインスタレーションを発表する飯嶋。
今回の展覧会タイトルの副題「ましましいねつるかも」は伊予国風土記逸文からの引用で、古代の薬や温泉の神スクナヒコナが瀕死の状態で温泉に浸かり、
回復時に「しばらくの間寝ていたかのようだ(ましましいねつるかも)」と言葉を発したところから来ています。
病を眠りや臨死体験のように捉え、目が覚めた時には全て白昼夢だったかのように次のステージへと進んでいく。今回の展示会場は病を回復していく空間として「Recovery room」と付けられました。
脳痙攣(のうけいれん)患者の脳波を楽譜に起こした音楽(作曲家・ピアニスト久保田翠との協働)や、日本最古の薬とされる蒲黄(ほおう)と振り子を使った物理現象を取り入れた作品、
木蝋(もくろう)と木材で作られた人体一部の彫刻などで構成され、病とそれを治癒する二つの力の微妙なバランスや兆候など、ささやかな変化を視覚と聴覚の両面から感じられるインスタレーションとなります。
常に新たな視点で考察された美しくも儚く、独特の世界観を見せてくれる飯嶋。今回もお見逃しなく是非ご高覧下さい。