イベント紹介
Event Information

この度、目黒美術館区民ギャラリーでは東京藝術大学出身の7人の作家による展覧会が開催されます。
過去に例がないほど情報技術革新が進んだ現代社会において、私たちの日常生活は、様々な視覚的・聴覚的情報によって溢れ、目まぐるしいほどの速度で絶え間なく変貌していきます。このような環境に置かれた私たちは、実体験によって得られた情報だけでなく、様々なメディアから発信される情報からも「現実」を構築し、そしてその「現実」を「真実」として、あるいは個人の経験としてもほぼ無意識に受け入れていることがあります。こうして目の前に出現する現実は、主に実体がなく、体験不可能な情報から構成され、認識されるものです。時には現実がフィクションのようであったり、フィクションとして創造されたものが現実性を持つものであったりと、「リアル」と「虚構」の境界線が曖昧であるのが私たちの生きる世界の現状なのです。このような「リアリティ」と「フィクション」、実体のある物質と実体の無い記憶などの関係性は、「メタもリアル。」という展覧会のタイトルに表れています。
本来、「メタ」という接頭語は、「―の後の」、「―の次の」という意味の古代ギリシャ語です。時代とともにその指示範囲が広がり、「超―」、「―の間」、「抽象的」、「総合的」、「境界に置かれている」(マージナル)、「変貌する」(トランスフォメーション)などの意味を持つことになりました。哲学の分野において、「メタフュシカ」という言葉の起源は、ロドス島出身の哲学者アンドロニコスが紀元前1世紀に、アリストテレスの講義草稿をローマで編集したことに求めることができます。アンドロニコスは「自然に関する諸講義案(タ・フュシカ)」の後(メタ)に全体の標題のない草案を置き、「自然学の後に置かれた諸講義案(タ・メタ・タ・フュシカ)」(「τὰ μετὰ τὰ φυσικά」)と呼びました。ちなみに、アリストテレス自身はこれらの草案を「神学」あるいは「第一哲学」と呼んでいました。そして、後に「メタフュシカ」という語は、存在論、世界の根本原因についての論考といった分野を含む、人間の感覚や経験を超えた世界を理性的に認識しようとする哲学の一分野、つまり、形而上学という分野を示す用語として利用されるようになりました。
本展覧会は、「メタ」と「フィシス」(「自然界」、つまり「実体験によって認識できる現実の世界」)という概念を、二律背反の関係にあるものではなく、むしろ境界が曖昧であり、時には融合する「メタ」と「リアル」として捉え、それとともに「記憶」(メモリアル)、「物質性」(マテリアル)、「変貌、変容」(メタモルフォーゼ)といった問題をテーマとします。
本展覧会では秋本瑠理子、石井夏実、伊藤久也、岡島飛鳥、エレーナ・トゥタッチコワ、増渕剛志、三野綾子による作品を展示します。彫刻や写真、映像などの表現形式に呈示される、「メタ」と「リアル」という概念を様々な文脈から捉え、それぞれのアプローチによって考察しようとするものです。

アーティスト
Artist

秋本瑠理子,石井夏実,伊藤久也,岡島飛鳥,エレーナ・トゥタッチコワ,増渕剛志,三野綾子

スケジュール
Schedule

2013年10月30日(水) - 2013年11月4日(月)
[営業時間]
10:00-18:00(最終日は15:00まで)
入場無料

開催場所
Place

目黒区美術館 区民ギャラリー
東京都目黒区目黒2-4-36 JR山手線・東急目黒線・東京メトロ三田線・都営地下鉄南北線「目黒駅」徒歩約10分 東急東横線・東京メトロ日比谷線「中目黒駅」徒歩約20分

その他概要
Outline

[オープニング・レセプション]
10月30日(水)16:00-18:00
[オフィシャルサイト]
http://meta-mo-real.com/
「メタもリアル。」